Webサイトのセキュリティチェック項目30選|確認方法つき一覧表

最終確認日: 2026年10月12日 / 編集: エスライン・テクノロジーズ株式会社 Webサイトセキュリティ編集チーム

この記事の結論

Webサイトのセキュリティチェックは30項目あり、17項目は外からブラウザや無料ツールで、13項目は管理画面と契約書で確かめます。最初の15分で、公開ファイル、証明書の期限、更新、ログインの守り、バックアップを見てください。直す順番は、被害の大きさ、見つかりやすさ、直す手間の3つで決めます。

セキュリティチェックの30項目は、外から17、管理画面と契約で13を確かめる

セキュリティチェックの30項目は、確かめる場所で2つに分かれます。公開ファイル、通信、HTTPヘッダー、DNSの17項目は外から、更新、ログイン、運用の13項目は管理画面と契約書で確かめます。

セキュリティチェック30項目の範囲と確かめる道具上段は外から確かめる17項目で、ブラウザと無料ツールを使う。中段は管理画面と契約書で確かめる13項目。下段の点線は点検表の外にあるアプリの作りで、専門家の脆弱性診断が担う。外から確かめる17項目(1〜17)公開ファイル、通信、ヘッダー、DNSブラウザ無料ツール管理画面で確かめる13項目(18〜30)更新、ログイン、バックアップ、体制管理画面契約書点検表の外にあるアプリの作り入力フォーム、会員機能、決済専門家の脆弱性診断
図1 30項目の範囲。上段の17項目は外から、中段の13項目は管理画面と契約書で確かめる。下段のアプリの作りは点検表の外にあり、専門家の脆弱性診断が担う

外から確かめられる設定は、攻撃者にも同じように見えています。証明書の期限切れや公開されたファイルは、URLを知っていれば誰でも気づけます。

管理画面の項目は外から見えないため、無料ツールでは確かめられません。IPAの『安全なウェブサイトの運用管理に向けての20ヶ条』も、パスワード、アカウント、ログといった運用の条項を多く含みます。

この点検表で分からないこと

入力フォームや会員機能の作りに潜む問題、たとえばSQLインジェクションやXSSは、外からの観察と管理画面では確かめられません。個人情報や決済を扱うサイトは、専門家による脆弱性診断を組み合わせます。

今日15分でできる最初の点検

最初の15分は、見つかったときの被害が大きい5点に絞ります。ブラウザとCMSの管理画面があれば、専門の道具は要りません。

  1. 公開ファイルを開いてみる(2分)ブラウザで自社ドメインの /.git/HEAD と /.env を開きます。『見つかりません』や『Forbidden』と出れば合格です。設定値のような文字が表示されたら、ほかの作業より先に項目1の対処へ進みます。
  2. 証明書の期限を見る(2分)アドレスバーの鍵アイコンから証明書を開き、有効期限を確かめます。残りが30日を切っていたら、自動更新が動いているかをサーバーの管理画面で見ます。
  3. 更新とログインの守りを見る(5分)CMSの管理画面で、本体とプラグインに未適用の更新がないかを見ます。管理者アカウントで2段階認証が有効か、パスワードをほかのサービスと使い回していないかも確かめます。
  4. バックアップの最終日を見る(3分)サーバーの管理画面で、最後に取得した日と保存先を確かめます。更新を当てるのは、この確認の後です。
  5. 外から見える設定をまとめて診断する(3分)無料のWebサイトセキュリティチェックにURLを入れ、重大度が『緊急』と『高』の指摘だけを書き出します。登録は要らず、通常30秒から90秒で結果が出ます。

ターミナルを使える場合は、次の2行で項目5、6、9、11〜13の応答をまとめて確かめられます。1行目のようにスキームを省くと、curlはhttpで接続します。

curl -I example.com
curl -I https://example.com/

例: 1行目の応答(この形なら項目6は合格)
HTTP/1.1 301 Moved Permanently
Location: https://example.com/

例: 2行目の応答で探すヘッダー
strict-transport-security: max-age=31536000
x-frame-options: SAMEORIGIN
x-content-type-options: nosniff

Windowsとボット対策の注意

Windows PowerShell 5.1の curl は、Invoke-WebRequestという別のコマンドの別名です。Windowsに標準で入っている curl.exe を使い、curl.exe -I と打ちます。CDNのボット対策でcurlだけが止められる場合は、開発者ツールのNetworkタブで応答ヘッダーを見ます。

外から確かめる17項目(公開ファイル、通信、ヘッダー、DNS)

外から確かめる17項目は、ログインせずに、ブラウザ、curl、無料ツールで確かめられます。表は、確認方法と合格の目安、放置の危険、直し方の順に並べています。

公開してはいけないファイルとページ(項目1〜5)

よく使われるファイル名は、URLを推測して機械的に試せます。OWASPの検査ガイド(WSTG-CONF-04)も、.bak などの古い写しがソースコードや認証情報を表示する危険を挙げています。確認は、自社のサイトだけに限ります。

項目確認方法と合格の目安放置の危険直し方
1. 開発用のファイル/.git/HEAD、/.env、JSのURLの末尾に .map を付けたURLを開く。403か404なら合格。『ref: refs/heads/』や『DB_PASSWORD=』が出たら不合格ソースコードと変更履歴、DBのパスワード、APIキーを取られる公開フォルダから外し、サーバー設定で拒否する(下の例)。読まれた鍵とパスワードは作り直す
2. バックアップとログ公開フォルダに .zip、.sql、.bak、.old や、末尾が ~ のファイルがない。/wp-content/debug.log が開けなければ合格顧客情報を含むDBや設定が丸ごと持ち出される。ログからは内部のパスやエラーが分かる削除し、保存先を公開フォルダの外へ移す。デバッグログは公開されない場所に書き出す
3. 一覧表示と情報ページフォルダのURLで一覧表示(ディレクトリリスティング)が出ず、/phpinfo.php や /phpmyadmin/ が開かなければ合格ファイル名、構成、PHPの設定値を知られる。DB管理画面はパスワードの総当たりを受けるApacheは Options -Indexes で一覧を止める。phpinfoは消し、DB管理画面はサーバーの管理画面経由に限る
4. 不要なページとテスト環境test. や dev. のサブドメイン、/old/ などの旧ページ、終わったキャンペーンを書き出し、社外から開けなければ合格誰も更新しないCMSが残り、そこから侵入される。テスト環境に本番データの写しがあれば漏れる不要なら消す。残すならBasic認証などで社外から隠し、公開の終了日に閉じる手順を決める
5. エラーと版の表示存在しないURLを開いてもファイルのパスやSQL文が出ず、curl -I の Server と X-Powered-By に版番号がなければ合格構成と版から、狙う脆弱性を絞り込まれるPHPは display_errors=Off と expose_php=Off。nginxは server_tokens off、Apacheは ServerTokens Prod
# Apache(.htaccess)の例: .git、.svn、.env を含むURLに404を返す
RedirectMatch 404 /\.(git|svn|env)

# nginxの例: 同じURLへのアクセスを拒否する(403を返す)
location ~ /\.(git|svn|env) {
    deny all;
}

どちらの例も、証明書の自動更新が使う /.well-known/ には影響しません。見つかった後の手順は、.gitや.envが公開されていたときの確認と対処で扱っています。

版を隠しても脆弱性は残る

項目5で版の表示を消すと、狙いを絞られにくくなるだけです。古いソフトウェアの脆弱性そのものは消えないため、本当の対策は項目18〜21の更新です。

通信の暗号化と証明書(項目6〜10)

HTTPSは、入力内容を盗み見と書き換えから守る土台です。20ヶ条でも、通信の暗号化は独立した1条になっています。SSL/TLS証明書の詳しい見方は、SSL/TLS証明書のチェック方法で扱っています。

項目確認方法と合格の目安放置の危険直し方
6. HTTPSへの転送curl -I example.com のようにhttpで開き、301か308とhttps://の転送先が出れば合格。wwwあり、なしの両方を見るフォームの入力内容が暗号化されずに流れる。Chromeは『保護されていない通信』と表示するサーバーで常時SSLを有効にし、すべてのURLをhttps://へ301で転送する
7. 証明書の期限と自動更新鍵アイコンから証明書を開き、期限まで30日以上あり、名前にwwwあり、なしの両方が入り、自動更新が動いていれば合格期限が切れた時点でブラウザが全画面の警告を出し、訪問者が先へ進めない自動更新にし、期限の監視を別に置く。Let’s Encryptの期限通知メールは2025年6月4日に終了した
8. 古い通信方式の停止診断ツールで、TLS 1.2と1.3にだけ応じ、TLS 1.0、1.1、SSL 3.0を拒めば合格RFC 8996(TLS 1.0、1.1)とRFC 7568(SSL 3.0)が使用を禁じた方式での接続を許してしまうApacheは既定の all -SSLv3 のままにせず、SSLProtocol -all +TLSv1.2 +TLSv1.3 にする。共用サーバーは事業者の設定を確かめる
9. HSTScurl -I https://example.com/ の応答を見る。Strict-Transport-Security の max-age が31536000(1年)以上なら合格httpのリンクや初回の接続から、暗号化されない通信へ誘導される余地が残るmax-age=300 など短い値で始め、問題がなければ1年以上へ延ばす
10. 混在コンテンツ主要ページを開き、開発者ツール(F12)のConsoleに Mixed Content の警告が出なければ合格httpで読むスクリプトやCSSはブラウザに止められ、表示や機能が崩れる本文、テーマ、プラグインの参照をhttps://に直す。補助にCSPの upgrade-insecure-requests を使う

証明書の有効期間は短くなっている

CA/Browser Forumの基準(Baseline Requirements)では、2026年3月15日以降に発行する証明書の最大有効期間が200日です。2027年3月15日からは100日、2029年3月15日からは47日に縮みます。更新の回数が増えるほど手作業は漏れやすいため、項目7は自動更新を前提にします。

HTTPヘッダーとCookie(項目11〜14)

セキュリティヘッダーは、ブラウザに備わった防御を有効にする設定です。確認はどれも、curl -I の応答を1回見れば済みます。書き方の例は、セキュリティヘッダーの設定方法にまとめています。

項目確認方法と合格の目安放置の危険直し方
11. CSP応答の Content-Security-Policy を見る。frame-ancestors、object-src 'none'、base-uri 'self' があれば第1段階は合格XSSが起きたとき、外部スクリプトの読み込みや情報の送信を止められないContent-Security-Policy-Report-Only で違反を集め、表示が崩れないと確かめてから適用する
12. 枠への埋め込みの禁止X-Frame-Options: SAMEORIGIN(またはDENY)か、CSPの frame-ancestors 'self' があれば合格透明に重ねたページでボタンを押させるクリックジャッキングを受ける応答ヘッダーを1行足す。meta要素に書いても効かない
13. 補助の3つのヘッダーX-Content-Type-Options: nosniff がある。Referrer-Policy が unsafe-url でなく、Permissions-Policy で使わない機能を止めていれば合格ファイルの種類の誤判定、URLに含まれる情報の外部送信、埋め込みによる不要な機能の利用を許す1行ずつ足す。Referrer-Policyは未指定でも、仕様の既定値 strict-origin-when-cross-origin で動く
14. Cookieの属性ログイン後、開発者ツールのApplicationタブでCookieを開く。ログイン状態を保つCookieに Secure、HttpOnly、SameSite=Lax以上があれば合格XSSでCookieを盗まれ、なりすまされる。他サイトを経由した意図しない操作も受けやすいCMSやアプリの設定で付ける。PHPなら session.cookie_secure など3つの設定を有効にする(既定はどれも無効)

APIを公開しているサイトは、Access-Control-Allow-Origin が * や、受け取ったオリジンをそのまま返す設定になっていないかも確かめます。

DNSとメール認証(項目15〜17)

自社ドメインを名乗るなりすましメールは、サイトに触れずに顧客や取引先を狙います。IPAの情報セキュリティ10大脅威2026でも、ビジネスメール詐欺が組織向けの10位に入りました。メール認証は、受け取る側に本物かどうかを判断させる仕組みです。

項目確認方法と合格の目安放置の危険直し方
15. SPFとDKIMdig TXT 自社ドメイン で v=spf1 の行がちょうど1つ。自社から送ったメールのヘッダー(Authentication-Results)に spf=pass と dkim=pass があれば合格なりすましを受信側が見分けにくい。Gmailは認証のないメールを、迷惑メールに分類したり拒否したりすることがある送信に使う全サービスをSPFにまとめ、DNSの参照を10回以内に収める。各サービスでDKIMの署名を有効にする
16. DMARCdig TXT _dmarc.自社ドメイン で v=DMARC1 があり、rua でレポートを受け取っていれば第1段階は合格なりすましメールの扱いが受信側任せになり、悪用されても気づけないp=none とレポートの受け取りから始め、正規のメールが合格すると確かめてから p=quarantine、p=reject へ進む
17. 参照先のないCNAMEDNSの管理画面でCNAMEを一覧にし、参照先のサービスをすべて今も契約していれば合格解約したサービス側で第三者が同じ名前を取り、自社のサブドメインに偽のページを出す不要なレコードを消す。サービスを解約するときは、先にDNSのレコードを消す
# Mac、Linux
dig TXT example.com +short
dig TXT _dmarc.example.com +short

# Windows(コマンドプロンプト、PowerShell)
nslookup -type=TXT example.com
nslookup -type=TXT _dmarc.example.com

例: 合格の形(SPFは1行だけ、DMARCはレポートの宛先あり)
"v=spf1 include:_spf.example.net ~all"
"v=DMARC1; p=none; rua=mailto:[email protected]"

Gmailの送信者のガイドラインは、すべての送信者にSPFかDKIMを求め、1日5,000件以上を送る送信者にはSPF、DKIM、DMARCのすべてを求めています。コマンドを使わない場合は、ドメイン名を入れるだけのDMARC、SPF、DKIMの無料診断ツールでも設定の状況を確かめられます。

DMARCの仕様は2026年5月に改訂

DMARCの仕様は、2026年5月にRFC 9989として改訂され、RFC 7489を置き換えました。p=none、quarantine、reject の3段階の考え方は変わらず、項目16の進め方もそのまま使えます。

管理画面と契約で確かめる13項目(更新、ログイン、運用)

管理画面と契約で確かめる13項目は、外からは見えませんが、乗っ取りを防げるか、被害から戻れるかを決めます。CMS、サーバー、ドメインの管理画面と、制作会社やサーバー事業者との契約書を手元に置いて確かめます。

ソフトウェアの更新(項目18〜21)

公表された脆弱性には、CVEという共通の番号が付きます。攻撃者はその情報を使い、対策していないシステムを狙います。10大脅威2026でも、『システムの脆弱性を悪用した攻撃』が組織向けの4位でした。

WordPressでの具体的な手順は、WordPressの脆弱性を確認する方法で扱っています。

項目確認方法と合格の目安放置の危険直し方
18. CMS本体管理画面の更新画面で、未適用の更新がなく、自動更新が有効なら合格修正済みの脆弱性が自社サイトにだけ残り、公表された情報をもとに攻撃されるバックアップ(項目26)を確かめてから更新する。WordPressは5.6以降に新しく入れたサイトなら、本体の自動更新が既定で有効
19. プラグインとテーマ一覧で未適用の更新がなく、停止中のものが残っておらず、配布元で更新が長く止まったものがなければ合格公表された脆弱性を狙われる。停止しただけのものはファイルが残り、更新も忘れられやすい更新し、使わないものは削除する。配布や保守が止まったものは代わりを探す
20. PHPとWebサーバーサーバーの管理画面か、WordPressの『サイトヘルス』の情報タブで版を見る。php.netのサポート期間内なら合格サポートが切れた版には、脆弱性の修正が出ない検証環境で動作を確かめてから切り替える。PHP 8.2のセキュリティサポートは2026年12月31日まで
21. JSライブラリ開発者ツールのConsoleで jQuery.fn.jquery と打ち、3.5.0以上か、未定義(jQueryを使っていない)なら合格既知のXSSが残る。3.5.0未満にあるCVE-2020-11023は、2025年1月に米国CISAの悪用確認済みの一覧に載ったテーマやプラグインの更新で置き換える。CDNから読む場合は integrity 属性(SRI)を付ける

ログインとアカウント(項目22〜25)

管理画面のパスワードは、ほかで漏れたパスワードの一覧を使って機械的に試されます。20ヶ条も、不正ログインの対策、不要なアカウント、推測されやすいパスワードを、それぞれ独立した条項にしています。CMSだけでなく、サーバー、ドメイン、DNS、メール配信の管理画面も同じ扱いです。

項目確認方法と合格の目安放置の危険直し方
22. パスワード管理画面ごとに別のパスワードで、多要素認証のない画面は15文字以上なら合格他社のサービスから漏れたパスワードで、そのまま入られるパスワード管理ツールで生成する。米国のNISTの指針(SP 800-63B-4)も、パスワードだけで守る場合は15文字以上を求める
23. 多要素認証CMSの管理者、サーバー、ドメインの登録サービス、DNS、メール配信のすべてで、2段階認証が有効なら合格パスワードが漏れた時点で乗っ取られる。ドメインの管理画面を取られると、サイトとメールを丸ごと奪われる認証アプリかセキュリティキーで有効にし、復旧コードを社内の決まった場所に保管する
24. ログイン画面の保護社外の回線で /wp-admin/ が開かないか、試行回数の制限が効いている。/wp-json/wp/v2/users にログインIDが出なければ合格ログインIDを知られたうえで、総当たりや使い回しのパスワードを試され続ける接続元のIP制限かBasic認証をかけ、ログインの試行回数を制限する。使わないなら xmlrpc.php も止める
25. アカウントと権限CMS、サーバー、FTP、DNSのアカウントを書き出し、退職者、制作会社の作業用、テスト用が残っていなければ合格使われていないアカウントが、気づかれない入口として残る不要なものを消し、管理者権限は必要な人だけにする。FTPは止め、暗号化されるSFTPに切り替える

バックアップ、監視、体制(項目26〜30)

被害をゼロにはできないため、気づく仕組みと戻す手段を先に用意します。IPAが2026年10月9日に出した不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえた注意喚起も、ログの保持期間、保有データ、外部サービスの見直しを求めています。

項目確認方法と合格の目安放置の危険直し方
26. バックアップと復元保存先、世代数、最後に復元を試した日を見る。サーバーとは別の場所に複数の世代があり、復元を試したことがあれば合格改ざん、ランサム攻撃、誤操作のあとで、元の状態に戻せない自動で取得し、サーバーの外にも世代を残す。年1回はテスト環境で復元を試す
27. ログと警告の確認アクセスログとエラーログの保存期間を確かめ、月1回は見ている。Search Consoleの『セキュリティの問題』に緑のチェックが出ていれば合格改ざんや不正ログインに気づけず、原因と影響の範囲も説明できない保存期間が短ければ、定期的に取り出して保管する。Search Consoleに登録して通知を受け取る
28. WAFサーバーやCDNの管理画面でWAFが有効で、フォームの送信や管理画面の保存が止められていなければ合格更新が遅れたあいだに届く既知の攻撃を、入口で止められない有効にしてから主要な操作を試す。誤って止まる操作は、該当する規則だけを外す
29. 保有する個人情報フォームの送信履歴、会員データ、書き出したCSVの置き場所と件数を確かめ、保存期間が決まっていれば合格侵入されたとき、ためていた分だけ漏れる量が増え、報告と通知の対象も広がる期限を過ぎたものを消す。フォームの内容をサーバーに残す必要がなければ、保存を止める
30. 責任範囲と連絡先ドメイン、サーバー、証明書、CMSの保守を、誰がいつまで担うかを1枚の表に書ければ合格全員が『誰かがやっている』と思い込み、更新も監視も止まる。事故の連絡先も分からない契約に保守の範囲を書く。外部からの連絡窓口は /.well-known/security.txt で示す(RFC 9116)

直す順番は、被害の大きさ、見つかりやすさ、手間の3つで決める

30項目は、被害の大きさ、見つかりやすさ、直す手間と副作用の3つの物差しで、3段階に分けて直します。被害が大きく機械的に見つかるものから先に直し、表示を壊すおそれのあるものは試しながら進めます。

3つの物差しで30項目を3段階に分ける左の3つの物差し(被害の大きさ、見つかりやすさ、直す手間と副作用)で評価し、右の3段階(すぐ、今月中、3か月以内)に項目番号を振り分ける流れを示す図3つの物差し1 被害の大きさ漏えい、改ざん、停止2 見つかりやすさ決まったURL、公表情報3 直す手間と副作用数行で済むか、試すかすぐ(当日中)8項目1、2、7、18、19、22、23、26今月中 13項目3〜6、12〜17、20、24、253か月以内 9項目8〜11、21、27〜30
図2 3つの物差しで30項目を3段階に分ける。すぐ直すのは8項目、今月中は13項目、3か月以内に計画して進めるのは9項目
段階対象の項目この段階にした根拠
すぐ(当日中)1、2、7、18、19、22、23、26決まったURL、漏れたパスワードの一覧、公表された脆弱性で機械的に見つかり、被害も大きい。7は期限まで30日未満の場合。26は、作業で不具合が出たときの戻り道として先に確かめる
今月中3〜6、12〜17、20、24、25被害は大きいが、悪用には条件が要る。設定の数行や不要物の削除で直るものが多い。20はサポート切れなら移行の計画を立てる
3か月以内8〜11、21、27〜30表示や機能を壊すおそれがあり、試しながら進める。サーバー事業者や制作会社との調整、社内の決めごとが要る

HSTSは取り消しにくい

HSTSの有効期間を長くした後でHTTPSをやめると、その期間中、訪問済みのブラウザはサイトを開けなくなります。項目9を3か月以内の段階に置いたのは、短い期間から試して延ばすためです。

点検の計画: 今日15分、毎月30分、変更時と年1回の見直し

点検は一度で終わらせず、頻度を決めて回します。目安は、初回15分、毎月30分、変更したときと公開前に10分から20分、四半期に1時間、年1回に半日です。

タイミング所要時間の目安点検する項目使う道具
今日(初回)15分1、7、18、19、22、23、26と、外側の一括診断ブラウザ、管理画面、無料ツール
毎月1回30分1〜17の一括診断、18〜21、27無料ツール、管理画面、Search Console
変更したとき、公開前10〜20分1〜6、10〜14と、下のチェックリストcurl、開発者ツール
四半期に1回1時間4、17、24、25、28、29DNSの管理画面、アカウントの一覧
年に1回半日20、26の復元テスト、30と、専門家の診断の要否契約書、テスト環境

公開前と変更したときは、次の8点を確かめてから切り替えます。作業の途中で作ったファイルやアカウントは、消し忘れやすいためです。

  • 作業で作った .zip、.sql、.bak を消した(項目2)
  • テスト用のアカウントと、制作会社の一時的なアカウントを消した(項目25)
  • 本番のデバッグ表示を切った。WordPressは WP_DEBUG、PHPは display_errors(項目5)
  • テスト環境は、Basic認証などで社外から見えない(項目4)
  • 全ページがhttpsで開き、Consoleに混在コンテンツの警告がない(項目6、10)
  • curl -I で、ヘッダーが意図どおりに返る(項目11〜13)
  • フォームを送信し、WAFに止められず、確認メールが届いた(項目28)
  • 新しく作ったサブドメインに、使い終えたら消す担当を決めた(項目17)

問題が見つかったときの初動: 記録、停止、鍵の作り直し、報告

公開ファイルや改ざんが見つかったら、記録、停止、作り直し、調査、報告の判断、再発防止の順で動きます。先にファイルを消すと、調査と報告に要る証拠まで失うためです。

  1. 記録を残す見つけた日時、URL、画面のスクリーンショットを残し、サーバーのログを保全します。
  2. 公開を止める問題のファイルを公開フォルダから外すか、サーバー設定で拒否します。改ざんであれば、メンテナンス表示に切り替えます。
  3. 鍵とパスワードを作り直す読まれたおそれのある .env のパスワード、APIキー、管理者のパスワードを変えます。ファイルを消しても、写しを取られた鍵は使えるままです。
  4. ログで範囲を調べるアクセスログで、そのURLに外部から届いたリクエストの有無と日時を確かめます。
  5. 報告と通知の要否を判断する個人データが漏れたおそれがあれば、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が必要かを判断します。
  6. 再発を防ぐ原因になった手順、権限、更新の漏れを直し、点検の計画に組み込みます。

報告には期限がある

個人情報保護委員会の案内では、速報は発覚から3〜5日以内、確報は30日以内です。不正アクセスなど不正の目的によるおそれがある場合、確報は60日以内で、漏れた人数が少なくても報告の対象になります。

自社だけで判断が難しい場合は、制作や保守を担う会社に早めに連絡します。診断結果の読み方や直す順番の相談は、エスライン・テクノロジーズのお問い合わせ窓口でも受け付けています。

IPAの20ヶ条と、この点検表の対応

この30項目は、IPAの20ヶ条の観点を、小規模なサイトで確かめられる形に置き換えたものです。20ヶ条は2005年に掲載が始まり、2015年の全面改訂を経て、2019年3月6日に最終更新されています。

20ヶ条の分類主な観点この記事の項目
ウェブアプリケーション(1〜8条)公開すべきでないファイル、不要なページ、ソフトウェアの更新、エラーメッセージ、ログ、通信の暗号化、不正ログイン1〜10、18、19、21〜24、27
ウェブサーバ(9〜14条)OSやミドルウェアの更新、不要なサービスとアカウント、推測されやすいパスワード、アクセス制御、ログ3、20、22、25、27
ネットワーク(15〜18条)不要な通信の遮断、ファイアウォール、不正な通信の検知と遮断、機器のログ28、30(共用サーバーでは事業者との分担を確かめる)
その他(19、20条)クラウドなどを使うときの責任範囲、定期的な検査と監査30、年1回の点検、専門家の診断

20ヶ条の3条目にある『安全なウェブサイトの作り方』の脆弱性対策は、入力フォームなどの作りを調べる必要があり、この点検表には含めていません。ただし、項目11〜14のヘッダーとCookieは、その被害を和らげる設定にあたります。

反対に、メール認証(項目15、16)、参照先のないCNAME(項目17)、証明書の自動更新(項目7)は、20ヶ条にない観点として加えました。メールの送信者への要件や、証明書の有効期間の短縮といった、最終更新後の変化に対応するためです。

無料ツール、手作業、専門家の診断の使い分け

外から見える項目は無料ツールでまとめて確かめ、管理画面の項目は自分の目で確かめます。入力フォームや会員機能の作りは、専門家の脆弱性診断が担う領域です。

方法分かること分からないこと向く場面
無料ツール項目1〜17の多くと、外から見えるソフトウェアの版管理画面の中、アプリの作り毎月の点検、設定を変えた後
curlと開発者ツール個々のヘッダー、転送、Cookie、混在コンテンツ版と既知の脆弱性の照合設定を直した直後の確かめ
管理画面と契約書項目18〜30外からの見え方毎月と年1回の見直し
専門家の脆弱性診断SQLインジェクションやXSSなど、作りの問題日々の運用の抜け公開前、大きな改修の後、個人情報や決済を扱うとき

手順5で使った無料ツール『Security Checker X』は、公開ページの取得、DNSの照会、TLSの接続確認だけで診断し、ログインの試行や攻撃用データの送信はしません。各指摘には『確認済み』『推定』『可能性』の確度が付くため、事実と推測を分けて読めます。診断できるのは、自社か管理権限のあるサイトだけです。

専門家に依頼するかどうかの判断は、簡易チェックと脆弱性診断の違いで整理しています。

よくある質問

小さな会社のサイトでも、セキュリティチェックは必要ですか?

必要です。10大脅威2026では『サプライチェーンや委託先を狙った攻撃』が組織向けの2位で、取引のある大きな組織へ近づく入口として、小さな組織が使われる場合があります。公開ファイルや古いプラグインは、規模に関係なく決まった方法で探せます。

レンタルサーバーを使っていれば、点検は事業者に任せてよいですか?

任せきりにはできません。20ヶ条の19条目は、サービス事業者の作業範囲を把握したうえで、足りない対策を自組織で行うよう検討を促しています。CMSの更新、管理画面のパスワード、公開フォルダに置いたファイルは利用者が操作する部分で、分担の細部は契約によって変わります。

無料診断の点数が低いと、すぐに危険ということですか?

点数だけでは決まりません。先に、重大度が『緊急』『高』の指摘と、その確度を見ます。版の表示などから推した指摘は、管理画面で事実を確かめてから直します。

管理画面のパスワードは、定期的に変えたほうがよいですか?

定期的な変更より、使い回しをなくすことと多要素認証を優先します。NISTの指針(SP 800-63B-4、2025年8月確定)は、利用者に定期的な変更を求めないよう定め、漏えいの証拠がある場合に変更させるとしています。

取引先のセキュリティチェックシートに、この点検表で答えられますか?

Webサイトに関する設問には、根拠として使えます。チェックシートが社内の規程や教育まで問う場合、Webサイトの点検はその一部にあたります。点検した日付、項目、結果を残しておくと、回答の裏付けになります。

取引先など、他社のサイトをこの点検表で調べてもよいですか?

管理者の許可がないサイトは調べないでください。公開ページを読むだけでも相手のログに残り、攻撃の下調べと区別がつきません。取引先の状態を知りたい場合は、点検表を渡して先方に確かめてもらいます。

点検の結果は、何を記録しておけばよいですか?

日付、項目番号、結果、対応、担当者の5つを1行で残します。前回との差を見れば、更新が止まった時期や設定が変わった時期をたどれます。診断ツールの結果画面は保存期間が限られる場合があるため、必要な部分は社内の記録に写します。

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デジタルマーケティング事業部 統括マネージャー

略歴:京都大学情報学研究科知能情報学専攻修士課程修了後、日経大手インターネットショッピングモールの開発部でエンジニアとしてシステム開発・運用に従事。同社新規モバイル事業の立ち上げに開発プロジェクトマネージャー、兼プロダクトマネージャーとして参画。その後、外資系大手製薬メーカーのデジタルマーケティング部門でシニアアソシエイトとして従事した後、2020年にエスライン・テクノロジーズのデジタルマーケティング事業部統括マネージャーに就任。カスタマーファーストでデジタルマーケティングの役立つ情報を日々発信中。

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